2010年10月28日
血液中に取り込まれた酸素
人間の心臓は二〇〇?三〇〇グラムで、体重の? ・四?〇・五パーセントにすぎないから、馬の心臓の大きさが推測できる。同じような体重を持つウシは、猛スピードで走ったりしないから、馬の心臓の三分の一程度とされる。四キロから五キロもあるサラブレッドの心臓は、ただ大きいだけでなく、性能も人間とは段違い。人間の脈博は安静にしていると一分間に六〇?七〇前後で、激しい運動をすると二〇〇回ぐらいに速まる。サラブレッドの場合は、静かにしていると脈博は三〇前後だが(優れた心臓を持つ馬は二五?二六回といわれる)、走り始めたときの最高心拍数はおよそ二二〇?二四〇に達する。アルゼンチン共和国杯結果を考えても人間の心臓が安静時のだいたい「三倍」ぐらいの回転数しかこなせないのに対し、サラブレッドの場合は「七倍」前後にまで増加する。人間の心臓のおよそ二〇倍近くもある大きな心臓が、ときには人間の心臓より速く脈打つのだからすごい。でなければ、あの巨体で時速六〇?七〇キロで疾走できない。さらに、血液中に取り込まれた酸素は赤血球に含まれるヘモグロビンによって運搬されるが、人間の赤血球が一立方ミリメートルの血液中に、四五〇万?五〇〇万個であるのに対し、サラブレッドの場合は安静時でも人間の約二倍の赤血球を持つとされる。しかも、牌臓の中にはもつと赤血球を大量に含んだ血液が貯蔵されていて、走り始めるとこれが循環血液の中に流れ出すから、赤血球の濃度は人間の三倍以上にもなると考えられている。大きな心臓が回転数を上げ、大量の赤血球を含んだ血液を全身に送り出すことにより、酸素運搬能力は、全力疾走時にはふだんの数十倍にも達するという説もある。
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