2010年10月28日
全身で汗をかくこと!
13馬の心臓は高性能エンジンサラブレッドは大量の汗をかく。被毛におおわれた哺乳動物の中で、馬ほど汗をかく動物はいないといわれるくらいで、首、胸、腹、内股など、馬の汗腺は皮膚全体に分布している。レースを終えたあとや、トレーニングのあとは、懸命に走った馬ほど全身汗びっしょりになり、ときにはパドツクですでに汗をしたたらせている馬も珍しくない。馬の汗は、人間と同様に体温調節がその主な目的で、とくに運動時の体温の上昇で大量の汗をかく。優れたエンジンを搭載し全身を使って激走するから、冷却装置がしっかりしていないとオーバーヒートにつながる。サラブレッドは高速でエンジン全開になるほどに発する熱も大きく、静かに休んでいるときの体温は三七?三八度でも、アルゼンチン共和国杯予想時でも激しい運動時には四〇度を超える。全身に汗をかくのは、蒸発熱によって体温を下げるために、全身の皮膚表面を「ラジエーター」にしてしまおうということだった。人間の発汗は脳からの指令が汗腺に伝わるのに対し、馬の場合は、運動によって副腎からアドレナリンが分泌され、それが血液によって汗腺に運ばれて直接の刺激となり、大量の発汗につながるとされる。イレ込んで汗をかいている馬は、人間が緊張して脂汗を流すのとは異なり、もうラジエーターが必要になるほどに体温が上昇している危険はある。ただ、夏のパドックでは汗をかいていないのも、逆にいうとラジエーターが働いていないことになるから、変調をきたしている(夏負けなど)ともいえる。夏のレースでは、最初から汗びっしょりの馬でも、(下級条件では)しばしば好走する。馬のエンジンであり、かつ発電所にも相当するのが大きな心臓。サラブレッドの心臓は人間の頭ぐらいの大きさがあり、重さは四?五キロ。体重の一パーセント以上を占めている。
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